更新日:2019年2月27日

2019年2月25日、Wix.comはニューヨークにて、Wixサイトの表示速度のパフォーマンスを向上するプラットフォームのアップデート「Wix Turbo」を発表しました。
>> Wix.com teams up with Marvel Studios' "Captain Marvel" for the launch of Wix Turbo (プレスリリース:英文)
Wix Turboとは?
従来「重い、遅い」と言われていたWixサイトの表示速度を高速化させるために開発されたWixの最新技術です。
Wixサイトの表示速度については、2018年3月にWix.comのCEOはじめとするWix.comの役員が来日した際にも「最優先課題で対策に当たっている」とおっしゃっていました。
つい最近、Wixエディタの動作が不安定になっていたのも「もしかして、このアップデートのための影響か?」などといった情報も聞かれています。
>> Wix Turbo について (英文)
Wix Turboの特徴とは?
SSRによる読み込み時間の高速化
従来のクライアントサイドレンダリングでは、サーバから返されたデータをクライアント側で受け取り、HTMLを生成しブラウザ画面に表示するというものだったため、初回リクエスト時のレンダリングが低速になりやすいというデメリットがありました。
今回採用されたサーバサイドレンダリング(SSR)では、サーバサイドでHTMLを生成し、生成されたHTMLをクライアント側のブラウザ画面に表示するというもので、取得するデータが1画面のみのため、初回リクエスト時の画面の表示速度を速くすることができるというもの。
すべてのWixサイトはJavaScriptの実行時間が最適化されますから、画像や動画の表示も早くなるでしょう。
「Wixはサイト全体を読み込むから遅くなる」という情報を耳にしたことがありました。もしかしたらこのこと(クライアントサイドレンダリング)だったのかな、と今思っています。
いずれにせよ、SSRの採用はかなり大きなパフォーマンスの向上につながるといえるでしょう。
ピクセルパーフェクトレイアウトの高速化
最新のCSS機能を利用することで、ピクセルパーフェクトに最適化されたレイアウトをより速く表示することが可能になりました。
ピクセルパーフェクトとは、アイコン画像などにおいて、ピクセルグリッドに合わせることで、アンチエイリアスを施しても輪郭がぼやけないようにすること。非常に鮮明な画像を表示できます。
インフラストラクチャによる高速化
世界中に、従来の4倍ものデータセンターが増設されました。これにより、サイト訪問者はより最も近いサーバーからそれをロードすることができるようになるため、Wixサイトの表示速度高速化につながります。
Wix Turboが適用されないエレメントに注意
旧Wix Store、旧ブログ、旧リストビルダーにはWix Turboが動作しません。
旧Wix Storeを使っている場合は、この記事(英語)を参考に、新しいWix Storeへ移行します。
旧ブログを使っている場合は、この記事(英語)を参考に、新しいWix Blogへ移行します。
旧リストビルダーは、まもなくサポート終了をします。リピーターを使って作成し直しましょう。
Wix Speed testで、Wixサイトの表示速度を計測

https://www.wix.com/turbo/home
Wix Speed Testは、Wixサイトの読み込み時間と速度を計測するツールで、サイト訪問者の閲覧が可能になった時間(Visitors view your site in:)と、操作が可能になった時間(Visitors interact with your site in:)とを表示します。
「モバイルサイトでは、3秒たってもサイトが表示されないと、訪問者の53%は離脱する」というデータもありますから、あまりにもかけ離れた数値が出る場合は改善が必要ということになります。
Wix Speed Testの計測方法
よく似たツールとして、GoogleのPageSpeed Insights(PSI)がありますが、計測方法がまったく異なります。
GoogleのPSIは、「Lighthouse」というChromeの拡張機能を分析エンジンに用いており、Chrome User Experience Reportのデータに基づいています。つまり、PSIのスコアは、Chrome上で実際にユーザが行った行動によるデータから出される数値です。
一方、Wix Speed Testは、テストするのと同じネットワークやデバイス構成を使用し、実際のセッションから得られたデータに基づき、サイトのチェックを行います。
ですから、テストするタイミングや環境により数値は変わります。
また、GoogleのPSIと異なる結果が出るのも当然なことです。
たとえば、同じWixサイトでも、東京・京都・大阪からそれぞれアクセスした場合、docomo・SoftBankの各キャリアからアクセスした場合、同じdocomoでも18階の高層ビルからアクセスした場合、などそれぞれでまったく異なる数値が表示されます。
つまりこれは、実際にユーザがWixサイトを訪問するのと同じ状況での計測ですから、Wix Speed Testではより実際のユーザーエクスペリエンスに沿った結果になるということです。
なお、Wix Speed Testは、Wix上に構築された内部動作もみますので、Wix以外のサイトは計測できません。また、InternetExplorerやMicrosoft Edgeでは機能しません。
Wix Turboでサイトパフォーマンスも向上したことですし、Wix Speed Testでサイト速度をチェックしつつ「3秒」目指してサイト改善をすすめてみましょう。
きっと、アクセスアップにつながることでしょう!
>> About the Wix Speed Test(英語)